プレイ回想記1 〜黄金色に輝く畑の場合〜



ノーブル――懐かしい町。懐かしい風景。
かつて私は、ここで育ち、ここから旅立った。


農民だった私は、ここで弟と一緒に反乱を起こした。
悪代官を倒しはしたものの、村を追われた所を、領主のレムオンに拾われて…何故かそのまま騎士になってしまっだ。だけど貴族として生活するのも嫌で、結局弟と二人、冒険者になった。

色々な人達と会った――賢者様や、勇者様や、旅仲間達。私の所為で育て親を失った子や、仲悪い様でいいコンビのエルフとドワーフや、他にもたくさんの人に、幾度も救われ、心強い思いをしながら旅を続けて。
…でも、私の傍らには何時だってチャカが――自慢の弟が居た。だって父さんと約束したもの、「あなたみたいな立派な人に育てます」って。
父さんが畑と一緒に残してくれた宝物を、大切な弟を守るのに、毎日、一生懸命で――。


…だから、自分の気持ちに気付く暇なんて、無かった。


だって、酒場で時々お話するだけで。
名ばかりとは言え兄になったレムオンの、政敵だって聞いたし。
親しくしたつもりなんて全然無かったのに――。

偶然、猫屋敷で呼び出せる事に気付いて、合流した時。
横に居たネモに

「それって…愛って奴? けっ」

…なんて言われてどんだけ心臓が縮んだ事か!
しかも戦闘じゃやたら強いし! 敏捷性だけはチャカが勝ってたけど。
(…若さ?←おい!)

でもそれだけじゃない。
或る時、彼が垣間見せた迷い。私だけに打ち明けてくれた――強いこの人が、頼りにしてくれた事を知った瞬間、私の心ははっきりと揺れた。
――そして、兄達の死を悲しむ間も無く、竜王に抹殺宣告を受けた時のあの言葉。

「心配しなさんなって。もしお前がヤバくなったら、俺が止めてやるさ」

――本当? 私…頼ってもいいの? 貴方を…頼りにしても、いいの?


全てが終わって、父さんの畑に帰ってきた日。
…本音を言えば、ここに留まりたかったけれど、一人前になったチャカに背中を押されて、私は、再び町を出た。
あの時言えなかった言葉を、伝える為に。一緒に旅をしようと誘う為に。
彼の待つ、あの酒場へと――。

…いけない、つい前世の事思い出してた。月基地よ、私は帰って来(二重に違う)
とにかく、今の私は旅商人の娘。そろそろ次の街に出発だって言われたし、ルルアンタを探さなきゃ……あ、いたいた。ルルアンタ、私はここよ。
…ん? 誰、このガラ悪い人達。父さんの名前を何故……人質!? 冗談じゃない、何とかルルだけでも逃がさないと…

「おいおい、人が気持ちよく昼寝してるってのに、ぎゃあぎゃあ騒がないでくれよ」

…へっ? 何この聞き慣れた声。そして見慣れたその背中!
嫌ぁ、何で貴方がこんなトコにいんの! 今度はディンガルに付くつもりだったのに!


初プレイ及び2週目冒頭を妄想。でもラストだけは管理人の叫び。ここでミイスを選んでおけば…。
それと、実はネメア様失踪までネモの存在を完っ璧に忘れてたんです。
初の評定で死亡者2名(泣)親密度の仕組みも判らなくて、アレ言われた時本気で焦りました。


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