1-1.ゼネテスの武器に関する突っ込み疑問(前編)
 




全身鎧に身を包み、槍を携える、中世騎士一直線のネメア様や、
双剣の鞘をきちんと腰に下げ、服をぴっちり着ているレムオン等に比べると、
ゼネテスの装いは、どうも突っ込み処が多い気がします。
真っ先に皆様の目に付くのは彼の服装でしょうけど、
現実的な危険度を優先して(あの格好も充分危険ですが)

初回は、七竜剣の鞘について考えてみました。

ゲーム中、どこにも存在を見出せない、彼の剣鞘。
末弥先生の絵を拝見しても、それらしきものは見当たりません。
多分背中に隠れてるんだろうな…とは思いますが、一つ難点。
一般に、剣ってもんはベルトとか肩帯とかで下げられますよね。
ここで皆様、レムオンとゼネテスの絵を見比べてみましょう。
レムオンの片手剣ですら、かなり太目の肩帯が用いられているんです。
ゼネさんのあの腰ベルトの細さで、
肩まである様なデカイ剣を、支えられると思いますか?
物理的に不可能です。
つまり、あのベルトに鞘は下がってません。
どんな魔法でか背中に直接鞘が取り付けられていても、それはそれで問題。
脇に下がってるならともかく
背中にあれ用のでっかい鞘を付けた自分を想像してみて下さい。
気持ち悪くて気になって、戦いに専念できません。はっきり言って邪魔。
そもそも、ゲーム内の彼の背中には何も無いですしね…。

じゃあ鞘は無いのかって?

実は、私そう結論しました。
多分抜き身で持ち歩いてやがります。このにーちゃん。

日本刀の成立史にそういう過程があったかは判りませんが。
少なくとも、西洋中世には、確かにそういった事実があります。
武器に詳しい方はご存知かも知れませんね。
例えば、中世後期に発達した刺突剣(エストックとかが有名)。
あれって叩き切るより刺し貫くのが目的の、細長い剣なんですが、
刀身が長過ぎて、鞘なんかあってもリアルに邪魔なんです。
だから鞘無しで持ち歩いたり腰にぶら下げたり。

ただ、ゼネテスの剣って重いですから
(両手で扱わなきゃならない程重いから「両手剣」なんですし)、
移動時は、片手に持つより肩にでも担いだほうが遥かに楽。
ここで七竜剣のデザインに注目。
刀身の根元辺りで、一部紋様が途切れてますね?
例えば、あの部分に皮や布を巻きつけて、そこを肩に当てれば…
ほーら痛くないでしょ?
ずれれば一巻の終わりですけど(笑)。
普通、その手の剣は、ずれないように突起がついてたりします。
柄から突起までは刃が無いんです。
でも、七竜剣は柄が長いから、
柄頭の近くを握って、つばを首の後ろに引っ掛けた方が、
よっぽど安全に思えます。

但し、安全つっても本人にとってだけで、
一緒に旅してる人間にとっちゃ危険極まりない話ですが(苦笑)。
彼が一匹狼っぽいのはそれも理由かなとふと考えたり。

「鞘」の語源を考慮するに
洒落のつもりで持ち歩かないのかなんていらん考えも浮かびますが
まぁそれは公共の場じゃ論議できないので割愛


そもそも、あの剣に鞘が存在するのか否かも微妙です。
伝説の七竜士が建国記念に打ったのなら、鞘も一緒に作ったでしょうが、
より想像が付き易い「ロストールの守護神たる竜王に賜った」説だと、
例えばアーサー王の聖剣伝説等とも相俟って、
何となく、抜き身で贈られた気がしてなりません。
管理人が昔読んだ古事記の漫画では草薙剣は鞘付でしたけど
ともあれ、七竜家の筆頭ファーロス家或いは王宮に大切に保管されていたのを、
「んだよ、誰も使わねえの? 勿体ねーなあ」とか言って持ち出したのでしょう。
…しかし、あんなバレバレの剣が何故お気に入りなんだ彼。
それとも、調べられてバレないように、絶対手放さないのかな?

…等と、これだけだらだら話しておいて、
実は荷物と一緒に持ち歩いてるとか、
「ん? これ鞘付だぜホラ」とか言われたら笑いますけどね。
剣だよなどー見ても剣だよな;

ちなみにSSでは鞘持たせます。だって危ないもん
想像力さえ許せば、カルラの鎌にだって鞘付けたいんですよ私はね
…しかし改めて見るとすごいですねデスサイズ(今まで彼女の服飾ばっか見てた←おい)


他に抜き身剣疑惑のあるノエル・レーグ様、
そして女主人公についてはまた後日。
て言うか女主を最初にやれよ私…

後編は、彼の短剣の用途に付いて述べてみます

 


…こうして考えると、キャラに武器を合わせたのか、
それとも武器に合うキャラを考えたのか、判んなくなります。
ホントどの人物も武器もぴったりの組み合わせで、
改めて製作者の方々の手腕に驚かされたり。
(H14.11.29)


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