第1週:パロディとかパクリとか他色々

6月1日〜内輪ネタでごめんなさい〜

(舞台:ロストール貴族街、リューガ本家邸宅。
サファイアが居間に入ると、レムオンが子どもの工作らしきものを手にしている)
「…? 何、それ?」
「昨日エストが持ってきたのだ。研究成果の記念すべき第1号らしい」
「……ふうん……(エストが作ったというので、工作の様にしか見えない事は黙っている)」
「超人類だとか遺跡だとか言っていたが、要は安全に古代の力を使えるのだそうだ」
「へえ。エストらしい」
「名前を付けて欲しいというので、『無能小娘顎砕き機』にした」
「………は?」
「この投石器の様な部分で、強力なモンスターの顎も砕けると言うのでな」
「ちょっと待て! それの何処が安全なんだよ、顎砕いたら死ぬぞ!?」
「使用時は必ず屋外で、と言われた」
「メチャクチャ危険だろそれはっ!」
「リベルダムで早速売り出すらしい。喜べ、有名になるぞ」
「そんなステータス要るか! エストもエストだ、何でそんな命名通すんだよ!」
「青い顔をしていたが、何しろ商人達が待ち侘びているらしくてな。…そう言えば、結局夜明け前に発ったので、効果の程を見せて貰っていなかったな…」
「何こっちに向けてんだよ! 私で試す気か!? ちょっと待て装填すんな馬鹿ーーー!!」

※他にも、敵に致命傷を与えずいたぶる事が出来る、はさみ機や髪染め機があったそうですが、
 「あの小娘は痛い目を見んと解らん」という兄様の断言の下に却下されたとか何とか。



 

6月2日〜食事中はお静かに〜

(舞台:ロストール貴族街、リューガ本家邸宅、食事用の広間←多分あると思う)
「だ・か・ら! 毎回毎回こんな大量の料理用意させんなっつってるだろ!? 作んのはあんたじゃないんだ、屋敷の使用人の皆さんなんだぞ!」
「では、あの者達の仕事を減らして、給料を下げるか?」
「そんな極端な話してない! 私はこんなに食べられないから、準備させるなってだけだ!」
「宮廷のご婦人方は、この程度、簡単にあのドレスの下に収めてしまうぞ。それとも何か、お前はティアナが稀に見る大食漢だとでも?」
「ぐっ……わ、私はこんな豪勢な料理に慣れてないんだよ」
「慣れろ」
「一言かよ!」
「大体お前は、あんな酒場だの宿屋だのの粗末な料理を食うから、何時まで経っても肉がつかんのだ。フン、そんな骨と皮ばかりでよく冒険が出来るものだ」
「筋肉ぐらいあるわ! 農民暮らしを馬鹿にすんなっ!」
「貴族どもを見習え。少しはふくよかにならんと、服がまるで似合わんぞ」
「(ドレス姿を想像した)…あんた、セクハラって言葉知ってるか?」
「知らんな」
「おい!!」
「第一、今の意見には異議がある。お前はいつから女になったつもりだ」
「―――てめえ、このテーブルひっくり返すぞ!?」
「好きにしろ。料理を駄目にして、使用人達に謝るのはお前だ」
「〜〜〜〜〜!!」

※サファイアの血圧が心配な今日この頃。



 

6月3日〜他人の目なんてそんなもん〜

(舞台:華やかなしり宮廷。噂話に興じる貴族達)
「ほほほ……そう言えば昨日、エリエナイ公爵様と妹君をお見掛けしましたのよ」
「おお、冒険者をなさっておられるという?」
「わたしく、一度お声を掛けて頂きましたわ」
「まあ、何て羨ましい! どんな御方ですの?」
「それはもう、お兄様譲りで凛としていらして、なのにとても愛らしくて…。それでいて冒険に出られると仰るのですから、なんて勇敢な事でしょう」
「レムオン様はご心配で堪らないでしょうなあ」
「うふふ、だからロストールに戻られた時はずっとご一緒なのですわ。ノーブル伯様が王宮にいらっしゃる時、お兄様がご一緒におられないのを、見た事があって?」
「そう! ですから私、昨日も申し上げましたのよ。『いつも仲がよろしいですわね』って。そうしたらサファイア様、凄く困ったお顔で『…ええと、私一人では宮廷のしきたりが解りませんから、その、仕方なく…』ですって! すぐに嘘だと解ってしまいますのよ」
「兄上とご一緒にいられるのが、嬉しくも恥ずかしくもあられるのでしょうね」
「そういうお年頃なのですよ。何とお可愛らしい」
「ですけど、もっと驚いたのはレムオン様ですわ。いかにも不機嫌そうなお顔を作られて、『私は、こんな娘の傍に始終居られる程、趣味は悪くないつもりだ』だなんて!」
「ははは、クールな公爵殿らしい。照れておられるのを気取られたくないのでしょう」
「特に妹君の前ですしね」
「でしょう? その後も、サファイア様の手を引いて歩いていってしまわれましたのよ」
「あのレムオン様が? うふふ、何だか微笑ましいですわ」
「本当に、仲が宜しくて羨ましいこと。あんなご兄妹なら毎日が楽しくて仕方が無いでしょうね」

※「冗談じゃありませんよ!!」byティアナに会う口実として無理矢理連れて来られ、口裏を合わす為に足を踏まれ、挙句ぼろを出す前にと引き摺っていかれたサファイア



 

6月4日〜世間知らずな小娘の反撃〜

(舞台:とある街。店先のショーケース前に佇むサファイア)
「……サファイア? 何見てるんだい?」
「あ、ゼネテスさんこんにちは。あれです(ガラス窓の向こうを指差す)」
「……猫の耳の付いたリボン、か?」
「ええ。この前ルルに新しいリボンを付けてあげたら、凄く可愛かったんです」
「へえ?」
「それで、私の…その、知り合いに、こーんな目付きの悪いヤな奴が居て」
「…うん?(多分レムオンの事だろうな、と思ったが黙っている)」
「だから、あれでも付ければ少しは憎らしさが薄れないかな、と思って」
「……成程な。しかしお前さん……この店がどんな店か解ってんのか?(でかでかと『大人の玩具専門店』と書かれた看板を見上げながら)」
「(同じく見上げ)ええ、だから大人用のそういうものでしょう? 頭のサイズも大人用みたいだし」
「………そういうもの、って?」
「おもちゃ」
「………………、なあ、頼むから…真顔で言わねえでくれ………」
「???」

※自らの汚れっぷりが身に沁みたらしいです。
元ネタ提供てきろ様。愉快な顔文字をありがとうございましたv


 



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