2.ルルアンタの小刀「フリントナイフ」の真実
注意: 今回は短刀最大の謎である形状変化については触れません。ご了承下さい。
ルルアンタのかつての保護者・フリント。
英語に詳しい、
或いは武器に詳しい、
或いは考古学に詳しい方なら、ピンと来たであろうこの名前を、
私は当初、全く意識していませんでした。
つまりどれにも詳しくなかったんですね;
きっかけは前回の帰省。
ゲーム内の武器に興味を抱き始めた管理人が、
武器名のネタを求めて、別ゲームの攻略本を開いた時のこと。
「フリントナイフ」 というのが載ってたんです。それもかなり初期装備で。
訝りより寧ろ運命を感じましたね。
「これはルルアンタの小刀に命名しろという事だな!?」と。
ただ、管理人は確かに阿呆ですが、
そのゲームにフリントなんて人が出て来なかった事ぐらい覚えてます。
ついでに、その短刀がダガーより弱い扱いになってたのが、少々気になって、
実家から戻った後、英語の辞書を引いてみました。まあナイフが英語ですからね
flint[名詞]1.火打ち石 2.(比喩的に)非常に堅いもの;冷酷な人
用例…a heart of flint 石の様に冷酷な心
いやん、何てナイスな例文!
家族の為に心を鬼にするパピーそのものじゃないっすか!
この時点で、私は
フリントナイフを暗殺者御用達の短剣と決め付けてしまいました。
先入観恐るべし…。
結局、真相に気付いたのは、
別の本で、石器時代の道具に関する記述を見つけた時です。
「火打ち石として使われるフリントもまた、…(中略)…多くの武器に加工された」
…マジですか?
フリントナイフって、打製ないし磨製石器の事だったんですか?
<石火のフリント>ってあれシャレだったんですかコーエー様!(泣)
私てっきり「電光石火」から取ったんだと信じてたのに…。
…と思っていたらこの四字熟語も火打ち石が発する閃光に由来していたという罠
いやー物知らずって怖いですね
この火打ち石ってのが、また鉱物学的にややこしくて、
火打ち石とか、フリントとか言う名前じゃ、専門書には載ってません
そもそもこの石は、水晶やオパール等といった「石英」という鉱物の一種です。
中でも、色が不透明で、火打(鋼鉄等と打ち合わせて火花を散らす)が出来る、
「チャート」と呼ばれる種類に属しています。
大まかに書くとこんな関係。済みません下手な図で;
チャートの中でもフリントは「黒め・硬め・剥離性あり」という特殊な部類らしく、
割ると縁が鋭くなるので、刃物や矢じりに加工していたそうです。
系統は違いますが、火成岩の黒曜石も似たような特質ですよね。
ってジルオールに全然関係無いし。
それにしても、例の双子はそれぞれ<雌狐のサファイア・ルビー>なのに、
我らがパピーは<雌狐のフリント>ですか…。
…まんまと評すべきでしょうけど微妙にアヤシイ響きだ(こらこら)。
まあそんな訳で石器だと判明した「フリントナイフ」ですが、
面白いので、ルルアンタの武器名に使用しています。勿論金属製のつもり。
ただですね。
某書物に石器の代表格としてフリント製の手斧が紹介されてたんですけど。
…やっぱり意図的なんですかコーエー様?